ISO14001構築の方法(5)Check/Act

内部監査

内部監査は、最も重要なcheckの項目です。
規格ではあらかじめ定められた間隔で、内部監査をするように要求しています。これは、間隔を決めておかないと、毎回毎回の監査の内容が比較できにくいこと、気まぐれな監査では、本当の実態を反映しない可能性があることからです。
そして、環境マネジメントシステムの特徴は、監査が環境管理責任者に対しても行い、監査の結果が直接経営トップに報告されることです。
これは監査が環境マネジメントシステムの実施、維持に対して行うので、その責任者の監査も行うことからきています。
環境管理責任者は、環境マネジメントシステムのすべてに責任があります。つまり内部監査がちゃんと行われるようにサポートすることも入るわけです。

監査は、 @ISO14001の要求事項や組織が決めた事項が、そのとおり実行されているかどうか、
      A前回までの監査や審査の結果で、指摘された点が是正されているかどうか、
      B環境上重要と考えていることが実施され、維持されているかどうかを計画的に行います。

監査手順は次の事項を含んで確立し、実施し、維持します。
    @監査の計画、実施、結果の報告とこれらの記録をし残しておく責任の明確化
    A監査基準(軽微な不適合の定義など)や適用範囲(監査をする範囲)、どのような頻度で監査を行うか、そしてその方法の決定

監査は客観的に、そして公平に行われるよう監査員の選定や監査の実施で気をつけなければいけません。

内部監査が適切に行われると、システムのバグ(不適合)が適切に発見され、是正されることで、監査のたび毎にシステムが改善されていきます。継続的改善の基礎のように働きます。

内部監査を適切に行うには、監査する部署ごとにチェックする内容を変えるような細やかな準備が必要です。
監査をする方も、被監査部門の内容をしっかり把握しなければ、適切な監査は出来ないわけです。

良い監査が良いシステムを作り上げていきます。


見直しAct

マネジメントレビュー

経営トップは、環境マネジメントシステムが適切に有効に実施されていることを確実にするために、予め定められた間隔で、マネジメントレビューをするように決められています。
そしてそのレビューの内容には、環境方針・目的目標を含む環境マネジメントシステムをより良くするための変更の必要性に言及することを求めています。

そのようなレビューのために、経営トップに次のような情報を提供するよう要求しています。
  a)内部監査の結果と法的要求事項等の順守評価の結果
  b)苦情を含む外部の利害関係者からのコミュニケーションの内容
  c)組織の環境パフォーマンス
  d)目的目標の達成状況
  e)是正処置や予防処置の状況
  f)前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップの状況
  g)環境側面に関係した法的要求事項等の進展を含め変化している周囲の状況
  h)改善のための提案

マネジメントレビューは、継続的改善へのコミットメントと環境方針や目的目標やその他環境マネジメントシステムへの変更などあらゆる決定や処置を含めて記載し、記録して残すことが必要です。

マネジメントレビューは本来、環境管理責任者や内部監査員から寄せられたインプット情報に基づき、トップが作成し決定するものですが、経営トップの会議で決定し、その議事録をマネジメントレビューの記録としているところがあります。
しかし、マネジメントシステム自体が、本来トップダウンの仕組みであることから、やはりトップによる今年はこうだったが、来年はこうしていこうという直接のメッセージが、組織が一体となるために必要ではないかと思います。現場の一人一人のやる気を引き出すためにも、是非、マネジメントレビューの社内公表を実施することをお勧めします。