フルタイム勤務とパート勤務

私は幸か不幸か、仕事は持ち続けてこられたけど、同じ仕事は、それほど続けて来れませんでした。
フルタイム、契約、フルタイム、契約、そして自立という道を辿りながら、結局あらゆる辞め方をして来ました。

初めは家庭の事情で、16年間の勤務を辞め、次に時間講師をしていた学校がつぶれ、いわば破産を経験。
次のフルタイムは、働き始めて1年後に解雇、いろいろあって、この解雇は取り消しになり、私の履歴書には記載されませんが、今でもその解雇通知は、持っています。
その後、管理職定年で出向し、60歳で定年。出向後契約で働き7年間たった時、新しい仕事がしたくなって契約を私から解除、より良い仕事を求めての転職は、これが初めてでした。でも、結局、失敗。自立です。

この勤務状態を振り返ってみると、ハッキリとある事がわかります。
最初のフルタイムを辞めた時、私は博士号を取得出来ました。
そして、次にフルタイムを辞めた時、ISOの審査員の資格を得ました。勿論、すごく運が良かったのですが、同じ私でも契約の時代は、私にとってプラスになることは、とても少なかったように思います。良い出会い、良い人生経験、良い勉強と良い事はたくさんありましたが、私自身に何か資格がつく事はありませんでした。

フルタイムはお金をもらって勉強出来る所、パートは時間を切り売りする所。なにか、自分の身を削っている感じがしました。特に最初のパートであった時間講師の職は。

今、若い人達が正社員になれずに契約で働いています。経験や勉強を積上げられない働き方です。若い時からそのような働き方をしたら、技術やいろいろなノウハウを持たない人々が、どんどん増えてしまうと心配です。
今、企業を政治を動かしている人々は、自分がフルタイムの経験しかないので、契約で働く問題が、全く見えないのではと思います。

日本の企業自身が、中国や韓国、インドに追いつかれ、技術で、技能で、ITで、レベルの高いものづくりが出来なければ、生き残っていけません。若い人を機械の一部のような使い方をしては、将来の日本の生きる道が、どんどん狭まってしまいます。

若い人をパートや契約で雇ってはいけないという法律を作って、若い人を守らないと、近い将来、とんでもない事になりそうです。

中高年こそ、契約やパートで働くべきです。若い時にしっかり技術を身につけ、勉強を続けていたら、契約金額は大きくなるでしょう。努力をしていなければ、雇ってもらえないかもしれません。でも、それはその人に今までの生き方の総決算ではないでしょうか。学校を卒業した時の好況、不況に左右されて、正社員になれないで終わる若い人のことを考えれば、まだ、公平ではないでしょうか。