佐々木常夫さんの講演を聞いて

2011年2月7日 三原翠

2011年2月2日、某事務用品会社の講演会で、佐々木常夫さんのお話しを聞きました。カンブリア宮殿でのお話を伺ったりしていて素晴らしい方だと思っていましたが、1時間半のお話には、本当に感動しました。

その話の多くは、ご自分の公式サイトに載っています。

佐々木常夫さんという方は、一言でいえば、自閉症の長男と病気の奥さんを抱え、さらに年子の二人の子を育てながら、東レで働き、同期で最初に役員になった人です。私自身、子供を二人育てながら、共働きでやってきた事を、本当によくやったと自分で思っていましたが、イヤー佐々木さんに比べたら、楽々な生活だったと思いました。私の夫は、子育ても家事もほとんど手伝ってくれなかったけど、一応、夫の事を心配したり、病院に行ったりする必要はなかったののですから。それに子供は2人で、5歳も離れ、一応健常児でしたから。

当日の講演内容は、大体、佐々木さんの講演録に記載されていますが、そこには出ていないけどお話の中にあった私の気に入った言葉をご紹介します。

佐々木さんは、ワークライフ・バランスという言葉を使われた方ですが、今は、ワークライフ・マネジメントだとおっしゃっていました。そう、バランスという消極的な感じではなく、自分がマネジメントするのだという積極的な感じがピッタリで、私も賛成です。

昔、子供を保育園に預けていた頃、朝のあわただしさの最中に気付いた事は、時計を出来るだけ頻繁に見ると、時間の経つのが遅く感じるという事でした。見ないと、ひょっと見た時、あ、もうこんなに時間が経ったとなり、時間に追いかけられているように感じますが、しょっちゅう見ていると時間を自分が管理しているように感じました。その頃、そんな言葉は知らなかったけど、これも小さな時間のマネジメントだったのでしょう。

彼の話の中で、要旨に載っていないけど、私は、とても気に入った言葉をあげます。

自分の行動に落とし込まない知識は、何の役にも立たない。 本当に自分も含め、知識だけで、行動しない人々のなんと多い事。

それから、私の最も嬉しかった言葉は、
佐々木さんはある講演会で、「奥さんと離婚しようとは思いませんでしたか?」と聞かれた事があったそうです。
佐々木さんは、今までそのように考えた事がなかったそうで、びっくりされたそうですが、次のように答えたそうです。
「私が自分の責任で結婚し、子供を作りましたから、彼らを守る責任があります。責任感が愛です。」です。

なぜ、「責任感が愛」に私がうれしかったか。
それは、もう40年近く前から思っていたのですが、私は子供を持って以来、小さい時から子供達を可愛いと思った事がないのです。
子供達を一人前の社会人にしなくてはならない、という責任感が常にあり、可愛い等と思っていられなかったのです。他のお母さん達がわが子が可愛いという事を聞いて、私は、自分は冷たいのだろうかと思っていました。その思いを、ずっと抱え続けてきました。
でも、佐々木さんの責任感は愛という言葉で、あー私は子供達を愛していたのだと安心して、とてもうれしくなりました。
ありがとう佐々木さんと言いたかったです。

佐々木さんは、大変な困難を乗り越えて、現役を退いた現在、多くの経験を伝える活動をされています。

私も47歳の時に、初めt民間会社に入ってとんでもない苦労に会い、その困難を乗り越えたおかげで環境の仕事に出合った事を思い出します。

困難を乗り越えると、又、新たな人生が、自分が思ってもいない人生が始まる事をあらためて知りました。