2010年9月13日

厚生労働省 
村木厚子局長の冤罪事件

予想通り、障害者団体への郵便料金割引悪用で、文書偽造疑惑の厚労省の女性局長村木厚子さんの事件は、無罪の判決でした。
この事件が起こった時、私は、村木さんを全く知らなかったけど、女性がそんなことをするのかなと疑問に思いました。
何故なら、女性は、自分の正義感をベースにして働いている事が多く、男のような不正義をするとは思えなかったからです。

判決後、大阪地検特捜部のいい加減な捜査が報道されていますが、その中で、その特捜部の言いなりにならなかったのは、村木さん1人だけで、他の男達:障害保健福祉部長、部下の係長と皆、検察が作成した調書に署名しているのです。

これは一体、どうしてなのか?

そして検察が、ほとんど証拠がなくても臭いとにらんで村木局長を追詰めた理由も、ここにあるように思います。
事実がなんであろうとも、検察の調書に署名をさせる自信があると。

女性から見ると、男がどうして、あんなに仕事をつまらなくして働いているか不思議に思うことがあります。
昔、47才の時、初めて民間会社に入って、心底驚いた事を思い出します。
”男は、なんとつまらない事を我慢しているのだろう。そして自分の仕事をつまらないものにしている”

村木さんにとって、検事の調書を認める事は、自分が永年働いてきたその根拠を、全て否定するものになったのだろうと思います。女性が働き続ける時、共働きで、子供達を育てながら、それは、自分が何よりそうしたいと言う事と、周りの犠牲?との葛藤の連続だからです。男が、家族の為に稼いでやっているのだと思いながら働いているのとは、全く違います。

働く事は、自分の人生そのものなのです。不正を働く理由は全くなく、プライドのため、お金のため、しがらみの為、どんな理由も自分の人生を否定するような事をする理由にはなりません。家族の為に、稼ぐため、或いは自分の見得のため、男には沢山の理由がありますから。その上、もう一つ、この事件に関わった男達が皆、調書にサインした理由があります。其れはヒエラルキーの世界に生きている男達にとって、検察もヒエラルキーの上に位置していたのだろうと言うことです。公務員はとかく、自分達が国民より上だと思う傾向が、昔からあります。ここでは、ヒエラルキーが唯の公務員より検察の方が上だという意識があったのだろうと思います。ましてや、検察の取調室の中では、まさしくそうでしょう。そういう男達ばかりを相手にしてきた検察官にとって、ヒエラルキーの頂点にいる自分達は、事実が何であれ、落せる自信があったのでしょう。

大阪の地検特捜部の男達にとって、村木さんと言う女性の、お金のためでなく働く女性の意識が、自分達、男と全く異なると云う事を全く知らなかったのだろうと思います。自分達の狭い社会しか知らず、それで良いのだと思っている人達は、この検察官達ばかりではないでしょう。

女性が働く事の本当の必要性は、このように正義感が強い、或いは弱者の身になって考えられる、このような男性に少ない特性にあると私は思います。女性がもっと、決定権のあるところに沢山いたら、今の日本のように、弱者に冷たい政治や行政にならなかっただろうと思います。女性のいない欠点が、今の日本の政治、経済に大きな影響を及ぼしていると思われて仕方ありません。

勿論、色々な女性はいますし、良いわかった男もいますよ。

三原 翠