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福島の子供達の甲状腺の異常を、世界の学者はどう見ているのか、そして正常な子どもと比べるとどうなのかを種々の情報を基に考察しました。
2012年5月末に、3月までの結果として、フクシマの子供38114人の甲状腺超音波検査の結果が公表されました。その内、全体の35.8%にあたる 1万3460人に甲状腺のう胞や、しこりが発見され、5ミリ以下のしこりや20ミリ以下ののう胞を認めたもの:1万3460人
35.3% だそうです。そのうち、5ミリ超のしこりや20ミリ超ののう胞を認めたもの : 186人 0.5%は、二次検査の対象だそうですが、それ以外は、おおむね良性、二次検査の必要なし "次の検査は2年後"との事。
これについて、オーストラリアの小児科医カルディコット医師は、子どもの甲状腺にのう胞やしこりが出来ること自体「非常に稀なこと」である言っています。
このような状況で、AP電によると、マイケル・ケリー記者は、甲状腺異常の問題についてカルディコット医師に取材した結果を次のように報告している。(Facebook内部被曝から子供を守る会より)
1.子どもに嚢胞と甲状腺結節を発見することは極めてめずらしい
2.子どもに見いだせる異常としては非常に数値が高い
3.普通、これほど5年かそこらの早さで異常が現れることは想定できない。従って、子どもたちが高い放射線を浴びたに違いないと考えることが出来る。
4.これらが日本のどの公務員が言っているか、あるいはこれらの病変がなにであるかを知ることはできない。
医師たちはこれらの異常成育が、嚢胞は比較的通常だとしても、子どもにおいてはそれほどありふれたことではないし、ガンになりうると憂慮している。なぜ、これらの結果が広く報道されないのかと尋ねられたカルディコット医師は「日本の行政機関は超音波の結果を、小児甲状腺のトップの研究者に提供すらしない」と答え、さらに「日本のマスコミは心理的な麻痺作戦をとっている」と批判した。「なぜ、日本のマスコミは放射性降下物を無視する表現をするのか理解できない。」
カルディコット医師によれば、福島の子どもたちの異常生育の高い比率は実に異常であり、普通なら、5年から70年かかって放射線の影響が現れる。国際的な医学界が介入すべきことである。
「データーは公にされて利用されるべきである。そして、国際的な専門家と早急に相談をすべきである。超音波に現れた病変はすべて生体の組織検査されるべきなのに、実際にはなされていない。もし、彼らがそうしないなら、それは最大の医学的無責任というべきである。なぜなら、これらの子どものうち何人かがガンを発症させていても、治療されず、死んでゆくということだから」
我々は、アメリカは甲状腺学会の会長に選ばれたブライアン・ホーゲン博士にも面談した。彼は、コロラド医科大学の内分泌学の責任者でもある。彼は、「我々が彼とコンタクトを取る以前には、この報告書について聞いたこともない」と語った。
ホーゲン博士は、カルディコット医師の評価について同意するとして、「子どもこれほど多くの甲状腺結節と嚢胞が見られるのは、それが事故の直後だというだけに驚くほどだ」「この事実が広く知らされてないということ」にも驚くとした。彼はさらに「超音波技術は今日非常に正確になり、20mm以下の嚢胞は生体検査の必要はないが、固形の甲状腺結節は5mm以上であれば行う必要がある」と述べた。
ホーゲン博士は「チェルノブイリのあと、放射線医師は被曝線量を測定し、何人の子どもが結節を持ち、何人が癌になったかを調査し、放射線の子どもへのリスクを計算した。チェルノブイリでは多数の甲状腺結節が発見された、しかし、フクシマの結果はさらに多くの嚢胞のあることを示している。大きな違いではないか」と注意を促した。
ニューヨーク科学アカデミーは、世界中でみるとほぼ100万人の人が1986年のチェルノブイリ発電所の事故によって放出された放射能に被曝して死んだと見積もっている。
ホーゲン博士は「自分は福島の放射線の危険性についてこれまで読んだことも聞いたこともなかった。あるいはチェルノブイリとの比較も知らない」と語った。もし、アメリカで核事故が起これば、アメリカ甲状腺学としては、何が起こっているかを知らせるためにその情報がいろいろな経路で人々に伝えられることを求めるだろう。そして、データーを適切に吟味するだろう。もし、公開され広く利用できることができないなら、調査し、検討することも困難である、と付け加えた。 |
一方で、あの山下教授自身が、長崎時代の2001年に行ったチェルノブイリの子供の甲状腺異常の研究で、比較のために対象として長崎の子供の測定結果があるので、この福島の結果と比較して見ました。
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異常の割合(%) |
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甲状腺腫・嚢胞?(Goiter) |
結節(Nodule) |
ガン(Cancer) |
長崎(n=250) |
4(1.6%) |
0(0.0%) |
0(0.0%) |
福島(n=38,114) |
嚢胞20mm以下か結節5mm以下 13460(35.3%) |
0(0.0%) |
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嚢胞20mm以上か結節5.1mm以上186(0.5%) |
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チェルノブイリ(n=19,660) |
2,669(13.58%) |
342(1.74%) |
39(0.20%) |
福島は嚢胞と結節を区別して記載したものが見つからなかったので、きちんとした比較にはなりませんが、明らかに福島の子供達に異常が現れているのが明らかです。しかも1年後において既にこのような状況である事を考えると、現在症状が出ていない子供も含め、定期的な検査が必要なのは明らかと思います。この論文を書いたのは、最終著者とは言え、現在福島大学の医学部に居る、しかも健康に影響ないと言っている山下俊一教授です。11年前のご自分の論文をもう忘れてしまったほど、耄碌されているのでしょうか。それにしても結節は嚢胞と一緒にしてよいようなものではないようです。 |
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