カリウムとセシウムの関係 本文へジャンプ
 
2012/2/3
セシウムはカリウムと同じ性質なので、生体内でセシウムとカリウムは同じように全身に分布し、通過していくと言われています。それは本当でしょうか?カリウムと言えは自然放射線が高いK40を思い出します。
セシウムとカリウムが同じなら、セシウムの放射線もカリウムの放射線も同等と見なすという理屈に行きつきそうです。
本当でしょうか?
セシウムとカリウムの相違点
セシウムとカリウムが似ているというのは、唯、周期律表で同じアルカリ金属類にあるという事だけです。
つまり、最外殻の電子の状態が同じと言う事です。
相違点は、K40、Cs137と言われるように、原子量が大きく異なります。40と137ですから、3倍以上重さが異なります。更に周期律表でみると同じグループとはいえ、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムとなっています。誰もナトリウムとセシウムが同じとは言わないのに、どうしてカリウムとセシウムは同じと言うのでしょうか?
周期律表で同じグループなら、体内動態も同じと言えるのでしょうか。それは言えないだろうことは、ナトリウムとカリウムで、その動態が異なる事からも明らかではと思えます。一般に生体内では、ナトリウムは細胞外に、カリウムは細胞内に存在している事はよく知られています。だから、血液中にはナトリウムが多いのです。ナトリウムとカリウムは、周期律表では、隣り合った仲です。つまり、重量も半径も似ています。でも、生体内ではいわば正反対の動態を示しています。
同じグループだから同じ作用は、化学反応なら言えるかもしれませんが、生体内では言えないのではないでしょうか。それはハロゲン化合物で、明らかです。塩素、臭素、ヨウ素の順ですが、ヨウ素以外は生体にとって毒なものばかりです。塩素とヨウ素が同じグループだから性質が同じだとは誰も言いませんし、そんな事を言ったら笑われるだけです。
それなのに、どうしてセシウムとカリウムはそう言われるのでしょうか?
同じと言いたい理由
カリウムの内、カリウム40は、自然放射線が多い事がわかっています。60kgの大人は4000ベクレルを持っているとか、1日50ベクレルと摂取しているとか(毎日50ベクレル排出しているので、蓄積はしない)言われています。セシウムとカリウムが同じなら、セシウムの放射線も問題ないのではと思われそうです。
生体への影響は同じと言えるでしょうか?
カリウム40は、人類や生物が生じた時から存在しています。もし、生物に悪い作用をするのなら、生物はこのように進化しなかっただろうと思います。又、現在の人間の寿命は、最大120歳と言われていますが、もし、カリウム40の放射線を受けなければ、120歳以上まで延びるのかもしれません。自然放射能には害がないとは言えないのです。そして今回のフクシマで、その自然放射線に重ねて人工的な放射線を人々は受ける事になったのです。後世、東日本の日本人に寿命の短縮が観察される可能性があるのではと想像します。