ISO14001とエコアクション21

共通点
マネジメントシステムの考え方
マネジメントシステムとは、Plan−Do−Check-Act(Action)いわゆるPDCAサイクルと言われているものです。
Planは、まず現状把握を行い、次に方針や法規制も考えて、トップが目標を定めます。次にその目標を達成するための方法を考え、スケジューリングをします。スケジューリングは、数値化できない場合も出来るだけ具体的に施策を書き入れ、それが達成出来たかどうかで判断を書込めるようにします。この計画のスケジューリングがどれだけ具体的かで、その事業者のやる気がわかります。
Doでは、スケジューリングに従っての実行をするわけですが、皆が同じように実行出来るように手順を定めたり、実行した事が確認出来るように記録を残したりします。手順だけでは同じよういに出来ない場合は、教育をしたり、緊急事態を想定し、それに備えての訓練を実施します。内外共にコミュニケーションも大切です。
Checkでは実施した結果を確認し評価します。ここがPDCAサイクルの中で、一番大切で、しかも日本人が不得意とする所です。何故、Check点検が大切かと言うと、当初の計画のどこが悪かったのかをしっかり認識し、再発防止策をたてる事が大切です。再発防止策がしっかり出来る仕組みになっていると、PDCAのサイクルを回す度に、仕組みが改善できて行きます。Checkが適切に出来ていないと同じ事を毎年繰返す事になり、何の改善も起こりません。
ActはCheckの結果を次の目標に反省させるようにトップが、PDCを見直し事です。従って、適切なCheckが出来ていないと、適切な見直しも出来ないのです。
マネジメントシステムの考え方は、決して環境だけでなく、経営そのものに使用できるビジネスツールです。
ISO14001やEA21は、このビジネスツールを身につける最良の手段です。これにより無駄のない、民主的な、明るい職場と経営が出来ます。
第三者認証である事
第三者認証とは、第三者が規格どおりに実施されているかどうかを、審査して確認する事で、認められる仕組みで、第三者が検証出来る事も含まれています。従って、審査員や審査人は、個人として審査を行うのではなく、あくまでも認証機関なり、認証の仕組みの中で審査を行うものです。
従って、被審査人は、審査人個人に対して、卑屈になる事も遠慮をする事もありません。指摘に対しては、遠慮なく意見を言い、互に対等に話し合います。話し合っても納得いかなければ、認証機関等へ率直に意見を述べる事をお勧めします。
トップの意向が一番大事
PDCAのマネジメントシステムは、トップがその導入を決意し、本気で取組まないと、例え取組んでも形だけのものとなり、導入するメリットが出てきません。そして、当初は環境部門や担当者が、必要ですが、次第に環境でなく経営マネジメントシステムに移行させ、通常のラインを通じて活動を行うようにすると、PDCAのメリットが活かせ、真の環境経営を実現させられます。
相違点
環境レポートの必要性
EA21では、環境レポートを外部コミュニケーションの一つとして位置づけ、その作成を必須条件にしています。環境レポートの内容は、必須のものだけでなく、事業活動を紹介する事も出来ます。エコアクション21のHPで公開されますので、自社のHPのない事業者にとっては、自己PRの良い手段になります。
現状把握の方法
ISOでは環境側面の調査で行いますが、この調査が大変で、どこまで詳細にやれば良いのか議論の分かれるところですし、側面調査が大変で、ISOは取っつきにくいと言われています。
EA21では、環境負荷の自己チェックという調査書があるので、誰でも環境負荷を捉えやすくなっています。環境への取組の自己チェックもあり、直接の負荷だけでなく間接的な負荷への取組も明確に現状把握が出来るのが、特色です。一方で、自己チェックの形式に依存して、形骸化する事も多く、様式だけでなく自己チェックの充実が望まれています。
費用
ISOの場合、まともな認証機関では、どんなに小さくても50万円から100万円が、毎年かかりますが、EA21の場合は、10万円から50万円止まりでしょう(規模にも依りますが)
審査員及び審査人
ISOでは各認証機関が審査員の力量向上に責任があり、システムだって取組んでいるのが普通です。しかし、勿論、中高年が多い職場ですから、頭が固い人もいて、審査員の能力にバラつきがありますが、ある程度のレベルは、担保されています。
一方、EA21では、審査人と呼んでいますが、審査人が、全国に散らばっている事もあり、力量向上が一様には出来ないでいます。従ってその力量には、バラつきが大きく、改善の余地があります。
審査人に不信を抱いたら、事業者は、遠慮なく審査人の交代を地域事務局に要求し、良い審査(自分達の経営に役立つ審査)を求める事をお勧めします。
ISOの場合は、認証機関に文句を言っても埒が明かなければ、認証機関を変更する手もあります。