食品の放射能汚染の新基準案について 本文へジャンプ
 

2011/12/23
厚労省より放射能汚染の新基準が発表されました
この新基準について、どう考えたらよいかをご紹介します。
放射性セシウムの基準値案は

    飲料水    10ベクレル/kg
    乳児用食品 50ベクレル/kg
    牛乳      50ベクレル/kg
    一般食品  100ベクレル/kg      です。

今までの一般食品500ベクレル/kg、水・乳製品200ベクレル/kgよりは、随分少なくなりましたが、これで、問題はないのでしょうか?
下記ICPRの図を見ると、この基準でもまだまだ甘い事がわかります。
ドイツの放射線防御協会は、安全基準として子供4ベクレル、大人8ベクレルを推奨しています。
これは、毎日10ベクレルでも蓄積する下図を見れば納得がいきます。
この基準は、今までの食品汚染の状況から、これ以上の汚染値はあまり出ないだろうという値と思われます。
500ベクレルが、そうであったように。
市民放射能測定所の福島県、宮城県の最近の結果からも、100ベクレル以上は、きのこ類とキウィーフルーツだけでした。

ICRP Publication 111について

ICRPとは、国際放射線防護委員会といい、いわば体制側の国際組織です。国は何かというとICRPを引き合いに出しますが、そのPublication111は、原子力事故又は放射線緊急事態後における長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用という題がついています。2009年に公表されたものです。
政府は、ICRPの勧告に従うとして、20ミリシーベルトを言っていますが、実際にこの内容を読んでみると、決してそう言っていない事がわかります。20ミリから1ミリで、出来るだけ低くするように、そして1ミリシーベルトになったからと言って安心せず、更に低く出来るのならそう努力すべきだと記載されています。政府の20ミリは、全く本書の趣旨を曲解している事は明確です。
又、この文書の20ページに記載されている図2.2は、毎日10ベクレルのCs摂取を1000日続けると1400ベクレル以上を蓄積する事を示しています。
そして1000ベクレルを1回だけだったら、800日でほとんど体内から消える事を示しています。
つまり、1回だけの多量摂取は、それほど怖くないけど、少量でも毎日摂取する事は、Csを体内に蓄積すると言っています。自然放射線がいくつある、それに比べてとよく言われます。しかし、自然放射線カリウムは体内に蓄積しません。蓄積して放射線を出し続けるセシウムとは同列に言えないのです。

この結果を見ると、乳児用食品で50ベクレル/kgなんて、とても言えないはずです。
一般食品で、100ベクレル? 1日大人は2kg摂取すると言われています。毎日、200ベクレル摂ったらどうなるのでしょうか?セシウムは筋肉に分布しますので、筋肉の塊の心臓に蓄積します。そして腎臓にも。心電図をとって、健康の確認をする必要があります。