T.計画の策定(Plan)

環境負荷の削減、環境への取組の推進等をどのように行っていくかを具体的に計画するのが「T.計画の策定(Plan)」の段階です。計画が適切に策定されていなければ、その結果の評価や見直しを適切に行うことができません。まず取組の対象組織・活動を明確にし、現状調査でもある環境への負荷の自己チェック及び環境への取組の自己チェックを行い、その結果を踏まえて、適切な環境目標、環境活動計画を策定することが必要です。

1.取組の対象組織・活動の明確化

組織は、全組織・全活動(事業活動及び製品・サービス)を対象としてエコアクション21に取り組み、環境経営システムを構築、運用、維持する。
認証・登録にあたっては、対象とする組織及び活動を明確にする。

[解説]
環境問題への対応のあり方を考えたとき、一部の組織や活動だけを対象として、環境への取組を行うことは好ましくありません。そのためエコアクション21に取り組むにあたっては、全組織・全活動・全従業員を対象とし、全社的に取り組むことが必要です。
ただし、事業所や工場が複数存在する場合等規模が比較的大きい事業者については、環境負荷が比較的大きいサイト(事業所や工場)から取組を始め、その後、段階的に対象組織を拡大していくことも可能です。その場合も、活動に関しては対象とした組織における全ての活動を対象とすること、全組織に段階的に拡大する方針とそのスケジュールを明確にすること、このことを環境活動レポートに記載することが必要です。
一部組織から段階的に取組を行う場合、対象組織の本業に関わる活動については、必ず対象に含めることとし、一部の比較的環境負荷が小さい組織やサイトのみを対象としたり、環境負荷の大きな組織を対象範囲※から外したりすることがないようにします。
※全従業員とは、対象組織で働く全ての者を意味し、派遣社員、アルバイト、常駐の委託業者等を含みます。
※エコアクション21に取り組むにあたり、対象とする組織及び対象とする活動の両方を総称して取組の「対象範囲」と言います。
対象範囲について、既に組織の一部においてISO14001あるいは他の環境マネジメントシステムの認証を取得している場合は、これらの対象範囲を合わせて、全組織がいずれかのマネジメントシステムの範囲に含まれるよう対象範囲を設定してください。

2.環境方針の策定

代表者(経営者)は、環境経営に関する方針(環境方針)を定め、誓約する。
環境方針は、次の内容を満たすものとする。
・組織の事業活動に見合ったものとする
・環境への取組の基本的方向を明示する
・組織に適用される環境に関する法規等の遵守じゅんしゅを誓約する
環境方針には、制定日(または改定日)を記載し、代表者が署名する。

環境方針は、全ての従業員に周知する。

[解説]
環境方針は、組織が自主的、積極的に環境経営に取り組み、環境負荷の継続的な削減に取り組んでいくことについての社会的な誓約(約束)であるとともに、組織の環境への取組の基本方針を示すものです。
「事業活動に見合ったものとする」「環境への取組の基本的方向を明示する」とは、環境への取組を進めるにあたって定めた、自らの事業活動、特に本業を踏まえた基本的な方針(重点的に取り組むべき分野)のことであり、取組の方向性のことです。
事業活動には、事業所や店舗等における製造、販売、輸送等の活動と、提供する製品及びサービスがあります。また、取組には、事業活動に伴う環境負荷を低減させる取組と、より積極的に環境の保全や創造、持続可能な社会の構築に貢献していく取組(環境に有益な取組)があります。
例えば、製造業では、「製造工程から排出される○○廃棄物の削減に取り組みます」、「製造工程で使用する電気消費量の削減に取り組みます」、「製品及び部品、原材料等の輸送に伴う燃料使用量の削減」等の工場や事業所での事業活動における取組の他、製品に再生資源を使用する設計、リサイクルしやすい設計、省エネ型の製品設計等、製品や原材料調達における環境配慮の取組等が事業活動に見合った取組となります。流通販売業であれば、「店舗等におけるエネルギー使用量の削減に取り組みます」、「無包装、簡易包装等の環境負荷の低い包装での販売に努めます」、「配送ルートの効率化等による燃料使用量の削減に取り組みます」、「エコマーク商品等の環境に配慮した商品の販売と、環境に関する情報提供に積極的に取り組みます」等が考えられます。環境方針には数値目標等を掲げる必要はありませんが、取組の基本的方向がわかりやすく盛り込まれていることが必要です。
環境方針の策定にあたっては、代表者が、自らの環境への思いや考えを踏まえ、自らの言葉で、自らの組織の特徴を表すことが必要です。
全従業員への周知については、従業員がその内容を具体的に理解し、取り組むことができるよう、掲示や会議、朝礼等を活用して行います。

◆事業活動と環境への取組