第6章 環境への取組の自己チェックの手引き

 

1.環境への取組の自己チェックの目的

環境への取組を行うにあたっては、まず別表1の「環境への負荷の自己チェックリスト」に基づいて自らの事業活動に伴う環境負荷を把握し、環境に大きな影響を与えている活動等を特定します。そして、現在どのような環境への取組を行っているかを把握したうえで、自らの環境負荷を削減するためにどのような取組を行うかを検討します。
具体的には、別表2「環境への取組の自己チェックリスト」をもとに、現在の環境への取組状況を把握するとともに、リストにある取組の内容を参考に、今後実施していくべき具体的な取組を明らかにします。そして、その取組内容を環境目標及び環境活動計画の策定に反映させることが有効です。


2.別表2環境への取組の自己チェックリストの使い方等について

(1)チェックリストの構成
環境への取組の自己チェックリストは、「1.事業活動へのインプットに関する項目」、「2.事業活動からのアウトプットに関する項目」、「3.製品及びサービスに関する項目」及び「4.その他」の4つの大項目で構成しています。それぞれの項目は、省エネルギー、省資源等の中項目に分かれており、それぞれについて具体的な取組内容を記載しています。

環境への取組の自己チェックリストの構成

1.事業活動へのインプット に関する項目
     1)省エネルギー
     2)省資源
     3)水の効率的利用及び日常的な節水
     4)化学物質使用量の抑制及び管理
2.事業活動からのアウトプット に関する項目
     1)温室効果ガスの排出抑制、大気汚染等の防止
     2)廃棄物の排出抑制、リサイクル、適正処理
     3)排水処理
     4)その他生活環境に係る保全の取組等
3.製品及びサービスに関する項目
     1)グリーン購入(環境に配慮した物品等の購入、使用等)
     2)製品及びサービスにおける環境配慮
4.その他
     1)生物多様性の保全と持続可能な利用のための取組
     2)環境コミュニケーション及び社会貢献
     3)施主・事業主における建築物の増改築、解体等にあたっての環境配慮


(2)チェックリストの使い方について

<はじめてエコアクション21に取り組む事業者>
エコアクション21にはじめて取り組む事業者においては、現在どのような環境への取組を行っているか、まず現状調査を行う必要があります。そこで、チェックリストを使って、取組状況を把握します。
チェックリストは、製造業者、建設業者、運輸業者、商店、病院、学校、官公庁等あらゆる業種の事業者が利用できるよう、業種共通に取り組める一般的な環境配慮の取組を列挙しています。しかし、一部業種によっては関連のない取組もあることから、関連がないと判断できる場合は左のチェック欄に「/」を記入してください。その他の取組について、次の3段階で評価を行ってください

・既に取り組んでいるものには                       …………      ○
・ある程度取り組んでいるが、さらに取組が必要なものには     …………      △
・取り組んでいないものには                        …………      ×

※左端のチェック欄に「○」「△」「×」を記入します。
次に、チェックの結果を踏まえて、第5章で特定した環境に大きな影響を及ぼす活動等について、環境負荷を削減するための取組を検討し、環境目標及び環境活動計画の内容に反映させるようにしてください。その際に、チェックリストにある具体的な取組内容を参考にしてください。

<既にエコアクション21に取り組んでいる事業者及び2年目以降の事業者>
既にエコアクション21に取り組んでいる事業者においては、必要に応じて過去に行ったチェックの結果「△」や「×」と評価した取組について、優先度や重要度を考慮しつつ、今後実施していくべき具体的な環境への取組を検討するうえで参考にしてください。初年度の現状調査のように、全ての項目について、チェックをする必要はありません。

(3)チェックリストを使用する際の留意事項

・チェックリストの項目の中には、その取組をすることによりどの程度環境負荷(二酸化炭素排出量等)を削減できるかといった効果を示してあるものがあります(チェックリストでは【取組による効果】と記載)。取組の優先度や重要度を考える際の参考としてください。
・チェックリストは環境への取組を網羅しているわけではありません。取組に関する記載内容には限界があることから、個別の取組内容について詳しく解説している資料やその他の取組の参考資料となる情報源として、URL等を記載しました。自らの事業活動に適した取組の参考としてください。

(4)チェックリストの活用方法

チェックリストの使い方として、さらに進んだ取組を行おうとする事業者は、次のような方法で定量的に取組状況を把握することもできます。

点数化して全体の進捗状況を集計する方法の例

「○」「△」「×」に重み付けをし、自らの取組に点数をつけて評価する方法です。
例えば、各項目毎に環境への取組に対する重要度を設定し、合わせて取組状況「○」「△」「×」を点数化して、以下のように評点することができます。重要度の設定については、業種による違いはもちろん、事業者によっても異なります。
@ 「○」「△」「×」のいずれかのチェックが入った項目について、次のとおり点数付けする。
<重要度>
環境保全に重大な効果がある項目を・・・・・3点
環境保全にかなり効果がある項目を・・・・・2点
環境保全に多少効果がある項目を・・・・・・1点
※重大な・かなり・多少の判断は、自ら行ってください。

A 上記@で付けた点数に次の点数を乗じる。
「○」の項目は・・・・・・・・・・・・・・・2点
「△」の項目は・・・・・・・・・・・・・・・1点
「×」の項目は・・・・・・・・・・・・・・・0点
《例》
「重大な効果がある」と判断した項目について、「○」である場合…3×2=6点
「かなり効果がある」と判断した項目について、「×」である場合…2×0=0点
「多少、効果がある」と判断した項目について、「△」である場合…1×1=1点
B 「/」を除く全項目について、上記Aで得た点数を合計する。
この数値を「環境保全取組度数」とし、これを基に、年々の環境への取組状況を比較する。

事業者の創意工夫で数値化する方法の例
チェックリストの取組の内容によっては、その取組状況を数値化できるものもあります。特に、策定した環境目標に関連がある取組については、数値化することで目標達成状況の把握等に有効であることから、可能な限り数値化することが望まれます。以下のような例を参考として、個々の事情に合わせて工夫してください。

:取組状況の数値化の例
○ 低公害車の保有の割合                     ← 「輸送・交通等に伴う環境負荷の低減」
(例:低公害車保有台数/自動車保有台数)

○ 自社の製品全体に占める環境配慮型の製品の割合   ← 「製品の開発・設計等における環境配慮」
(例:環境配慮型製品数/全取扱製品数)

○ 環境関係の基金や地域のボランティア活動への支援額 ← 「環境に関する情報提供や社会貢献、地域の環境への取組」