第1章 エコアクション21ガイドライン2009年版の概要

 目次 

1.エコアクション21とは

持続可能な社会を構築していくためには、あらゆる主体が積極的に環境への取組を行うことが必要であり、事業者においては製品・サービスを含む全ての事業活動の中に、省エネルギー、省資源、廃棄物削減等の環境配慮を織り込むことが求められています。
エコアクション21ガイドラインは、広範な企業、学校、公共機関等の全ての事業者が環境への取組を効果的、効率的に行うことを目的に、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価する環境経営システムを構築、運用、維持するとともに、社会との環境コミュニケーションを行うための方法として策定したものです。
そして、エコアクション21ガイドラインに基づき、環境への取組を適切に実施し、環境経営のための仕組みを構築、運用、維持するとともに、環境コミュニケーションを行っている事業者を、認証し登録する制度がエコアクション21の「認証・登録制度」です。
エコアクション21ガイドライン及び認証・登録制度は「事業者の環境への取組を推進し、もって持続可能な経済社会の実現に貢献すること」を目的としています。

◆環境経営(環境マネジメント)システムとは

事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境への取組を実施するために、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組み、その取組結果を確認及び評価し、改善していくことを「環境管理」または「環境マネジメント」といい、このための工場や事業所内の体制・手続き等の仕組みを「環境経営(環境マネジメント)システム」(EMS−Environmental Management System)といいます。
環境経営(環境マネジメント)システムは、事業活動に伴い発生する環境への負荷(資源・エネルギー使用量、廃棄物排出量等)を減らすとともに、環境に配慮した製品やサービスを提供する等の環境への取組を行うために、事業者が、
@自主的に環境への取組方針と目標等を定め(計画=P:Plan)
Aその目標を達成するための組織体制を整備して必要な取組を行い
(実施=D:Do)
Bシステムの運用状況や目標の達成状況を把握・評価し、
(確認・評価=C:Check)
C改善し、定期的にシステムを見直していく(見直し=A:Action)
PDCAサイクルを基本とし、これによって環境経営システムと環境への取組の継続的改善*を図っていくことを目的としています。

◆環境経営(環境マネジメント)システムを構築するメリット

皆さんの工場や事業所では、環境への取組について、次のような問題点はありませんか?
・ルールを決めても、その場限りになってしまって、いつの間にか守られなくなってしまう
・事業活動において、無理や無駄があることがわかってはいても減らせない
・目標を立てても、なかなか達成できない
・特定の人に仕事が集中し、その人が休むと仕事が進まない
このような場合は、このガイドラインに沿って、取組を進めてみてください。PDCAサイクルに基づく環境経営(環境マネジメント)システムに取り組むと、
・一人、あるいは特定の人ではなく、全員で取り組む
・その場、その時限りの取組ではなく、決められたルール(基準)に基づいて行動する
・取組にあたっての目標が明確になる
・取組の結果をきちんと評価できる
・目標が達成出来なかった場合は、原因を明らかにできる
・日々の取組を積み重ねることにより、年々継続的に改善できる
等、工場や事業所における様々な問題の改善に役立ちます。
また、併せて、環境経営(環境マネジメント)システムを用いて環境への取組を行うことにより、次のような効果も期待できます。
・省資源、省エネルギー、廃棄物削減によるコストダウン
・環境汚染や事故による環境リスクの未然防止
・環境法の遵守

そして何よりも、地球や地域の環境を守り、美しい地球を子供達に引き継いでいくことができます。