第4章 環境活動レポート

本章では、エコアクション21における環境活動レポートの要求事項を定めています。
エコアクション21に取り組み、認証・登録を受ける事業者は「環境活動レポート」を作成し、公表することが必要です。
環境活動レポートを作成し公表することは、中小企業においても社会的責務であるとともに、組織の環境への取組を推進し、組織が社会からの信頼を得ていくために必要不可欠です。
環境活動レポートは、あくまでも社会的な説明責任に基づくものであり、宣伝のためのパンフレットではありません。ですから必要な項目を正確に、包み隠さず記載することが重要であり、情報公開に対する真摯な姿勢こそが、社会からの信頼を勝ち得、組織が存続していくために必要な方策の一つであると言えます。特に、虚偽の記載をしたり、自らに都合の悪い情報を隠すことは、かえって信頼を失墜させることにも繋がりかねません。
また、環境活動レポートの作成にあたって必要となる次の9つの項目は必要最小限の記載事項であり、実際の作成にあたっては、理解しやすいように工夫をすること、段階的に記載内容を充実させていくことが重要です中央事務局のホームページには、認証・登録された事業者の環境活動レポートが掲載されていますので、参考にすることができます。
作成した環境活動レポートは
、地方公共団体、地域の消費者団体や環境NG0、顧客、株主、従業員等の利害関係者に配布する、またはインターネットホームページに掲載することにより、有効に活用することができます。

1.環境活動レポートの作成
次の項目を盛り込んだ環境活動レポートを定期的(原則毎年度)に作成する。
@組織の概要(事業所名、所在地、事業の概要、事業規模等)
A対象範囲(認証・登録範囲)、レポートの対象期間及び発行日

B環境方針
C環境目標
D環境活動計画
E環境目標の実績
F環境活動計画の取組結果とその評価、次年度の取組内容
G環境関連法規等の遵守状況の確認及び評価の結果並びに違反、訴訟等の有無
H代表者による全体評価と見直しの結果


[解説]
「@組織の概要」は、認証・登録の対象範囲にかかわらず、本社、工場、店舗、事業所等の全組織の事業所名、所在地、事業活動の概要、規模等、組織の全容がわかる以下のような情報です。
・ 事業所名及び代表者氏名
・ 所在地
・ 環境管理責任者氏名及び担当者連絡先
・ 事業活動の内容についての簡単な記述
・ 事業の規模(主要製品の生産量・出荷額、従業員数、事業所の延べ床面積等、事業の規模がわかる情報)
「A対象範囲」は環境経営システムの要求事項「1.取組の対象組織・活動」の要求事項を満たすものであり、認証・登録の範囲と一致していることが必要です。特に、一部組織から取組を行う場合は、全組織に段階的に拡大する方針とそのスケジュールを記載することが必要です。
「C環境目標」は、レポートの対象期間における単年度の環境目標と中長期の環境目標を記載します。
「E環境目標の実績」のうち二酸化炭素排出量削減の実績については、二酸化炭素排出量を把握する際に用いた、購入電力の排出係数(電気事業者ごと)も併せて記載します。
具体的にどのような形式の環境活動レポートを作成するかは、基本的に各事業者の創意工夫に委ねられています。例えば、環境目標の実績については、可能な範囲で過去のデータも記載し、グラフ等を用いて経年での変化が一目で分かるようにする、取組状況の写真を掲載する等の工夫が望まれます。



推奨事項
・初年度において、主な環境への負荷について年間のデータを把握して記載する
※初年度は、年度の途中からエコアクション21に取り組む場合が多く、データ把握も年度の途中からになることが多いと思われますが、データは1年単位で把握することが望まれます。
・把握することが必須となっている環境負荷項目については、3年間程度の年間実績の推移を記載する



2.環境活動レポートの公表
環境活動レポートを公表し、事業所に備え置いて、一般の閲覧を可能にする。
また、可能な場合は、インターネットのホームページに掲載するまたは冊子を作成して公表する。


[解説]
作成した環境活動レポートは、事業所等に備え付け、外部から要請があった場合は、必ず閲覧できるようにしてください。
また、エコアクション21中央事務局では、認証・登録事業者名を登録するとともに、環境活動レポートを業種別、地域別、規模別に検索可能な形式でホームページ上に公開しています。
その他の公表方法については、それぞれの事業者の創意工夫により行ってください。

推奨事項
・環境活動レポートを顧客、取引先等に配布する等して、環境経営に活用する