ISO22000構築のためのアドバイス(4)

オペレーションPRPとCCP

ハザード分析をした後、ハザードであると残った因子について、そのハザードをどのように管理してハザードを低減、、或いは除去事が出来るかを検討します。
コーデックスでは、気をつけるべき管理手段をCCPとしていますが、ISO22000ではオペレーションPRPという考え方を導入し、重要管理点を2段階に分けています。
CCPもオペレーションPRPも、ハザードを増加させないように製造工程を管理しますが、CCPは許容基準があり、それを超えると製品として重大な問題を生じるハザード(病原菌の生残や金属異物等)で、許容基準を超えたかどうかを個別に或いはロット毎にみわけられることが出来る事が必要です。
OPRPは、製造工程中に監視測定等を行う事でハザードを管理する事ではCCPと似ているが、許容基準の考え方は必ずしもない場合もあり、一般にその設備や環境に関係する衛生条件を守るための管理手段がOPRPとなる事が多い。
どのハザードをCCPで管理するかOPRPで管理するかは、製造環境によって変わることもあり、また、CCPに設定すると厳密な管理が必要となるので、実際問題として運営可能であるかどうかの判断も、その決定に関係する。何よりも、安全な製品の製造が目的であって、理想的なHACCPプランを行うことではないからである。

ISO22000では、ハザードの予防、除去、又は決められた許容水準まで低減させる管理手段を適切に選択し組み合わせる事で、安全な製品を製造できるようにする事を求めており、それをOPRPやCCPで管理する必要があるかどうかを決めるように言っています。
それを決める考え方として、次のような要素を考慮する事を求めています。
@ 厳密に管理する必要性についての考え方で、100%厳密にしないと厳密に管理しないと安全な食品を製造できない場合は、CCPでの管理、そうでないならOPRPでよい。上記で述べた病原菌の生残や金属異物がCCPの例である。
A 管理するためのモニタリングが、現実的に出来にくい場合は、CCPには設定できない。OPRPとなる。設備や環境の衛生条件を管理する場合が多くこの場合になる。
B 同じような管理手段が同じ工程に複数ある場合は、主たる手段の部分をCCPにして、補助的な方をOPRPにする事で、無駄な労力を避けられる。
C 管理手段がうまく働かなくなる可能性があったり、製造工程等でハザードに重大な影響を与える変動が起こりやすい場合などは、そのハザードを確実に管理するためにCCPに設定する場合もあるが、少なくともOPRPでは管理する。
D 管理手段がはずれた場合にその影響が重大な場合は、出来るだけCCP設定にする。@の例が該当。
E 管理手段がハザードの除去や低減させるためにわざわざ入れた工程であれば、CCPとなる可能性大である。(加熱工程であっても、それが製造のために必要な加熱で、特に管理しなくても正常な製品製造の結果として十分な加熱がされるものは、CCPやOPRPにはならない。パンの製造のための加熱がこれにあたる。
F 管理手段は出来るだけ、複数の手段を使用して管理し、その効果を高めるように工夫するとよい。これはより安全な食品を製造するために必要な視点で、万一のためにも、バリアーは複数あると良い。

これらの管理手段を考慮して、先のハザード分析中のハザードをどのように管理するか検討した結果を示す。

オペレーションPRPやCCPであるかどうかを判断する方法として、コーデックスはデシジョンツリーを推奨している。これをISO22000に合うようオペレーションPRPも加えた改変版を参考のために示す

通常、CCPは1工程中1から3位が適切と言われている。CCPは本当に必要な部分だけ、そして他の重要点は、OPRPで管理するという現実的な方法がとれるのがISO22000の良い点ではないだろうか。