復興のリスクコミュニケーションについて 本文へジャンプ
 

2014/2/24
この2月18日に、復興庁は「帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージというものを公表しました。その構成は、概要本文と「放射線リスクに関する基礎的情報」から成っていました。
詳細に読むまでもなく、その心は、何が何でも帰還させようと言うリスクを十分に洗い出していないリスクコミュニケーションとはとても言えない内容でした。
施策パッケージ概要について
内容は、放射線による健康影響等に対する不安取り除く事で、
 Ⅰ.個々人の不安に対応したきめ細かなリスコミの強化
    強化?無理やり説得するような雰囲気です。
    何故、相手の不安に答えられる科学的説明をわかりやすく行う努力とでも出来ないのでしょうか。
    上から目線を感じます。
 1.正確で分かりやすい情報の発信
    この内容は後述する放射線リスクに関する基礎的情報という冊子に基づいて理解を深めさせよう、或いはこれに基づいて地域でリスコミ誌を発刊させようというものです。
 2.少人数によるリスコミの強化
    人数を少なくして、一方的に都合の良い情報だけを伝えようというのでは?
    保健師も取り込んでの安全情報の流布と思われます。
 3.地元に密着した専門人材の育成強化
    身近な人間を使って、反論させにくい状況でのコミュニケーション?
 4.住民を身近で支える相談員によるリスコミの充実
    リスコミでなく医学的知識のある相談員なら、まだ話がわかりますが。
「放射線リスクに関する基礎的情報」という冊子
 ① 20ミリシーベルトについて
   この冊子でまず気になるのは、20ミリシーベルトが、まかり通っている事です。ICRP111 でさえ、緊急時に20ミリシーベルト、漸次少なくして最終1ミリシーベルトにするよう、それも更に少なく出来るのならそれ以下にと言っています。ICRP111の言っている事さえ無視している事からも全くリスクを正しくとらえていない事がよくわかります。
 ② 甲状腺がんの検査状況について
   6ページに甲状腺がんが多発している状況を説明しています。さすがに記載しないわけにはいかないのでしょう。75人を報じていますが、やはり放射能の影響でないし、予後がいいとか書いて深刻さを消そうとしています。甲状腺の手術をしたら、一生薬を飲み続けなくてはならない事等、間tt買う記載してありません。
  さらに問題なのは、参考として掲載している青森県、山梨県と長崎県の検査結果の表です。判定結果のABCの説明が、全くなく、Bは多分嚢胞で1%から0.1%検出し、Cの結節(ガンに近い)は、ゼロである事の説明を何もしていません。他地域でも異常が出ているのだと言いたいような表の出し方です。ガンは1件も検出されていない3000人以上の他府県調査の結果と福島県の結果を比べれば、放射能の影響でないなんて絶対に言えない事は明らかですが・・・・・。
  ③ホールボディカウンターの検査
   検査時はベクレルで数値が得られるものを、実行線量としてシーベルトでのみ報告しています。シーベルトは換算をあれこれして、恣意的な余地が入る可能性が高く問題です。ベクレルでキチンと出してほしいですし、何より、その器械の検出限界がいくらかを記載していないのは報告として不十分です。体全体に薄めてしまうホールボディだけでなくもっと簡便な尿検査をどうして行わないのか不思議です。尿は体の中の代謝の様子を表します。体から排出される放射能があるのかどうか、それを見る事が出来る案ンかで簡便な尿検査が行われない理由がわかりません。実態が明確に出過ぎるのを恐れているような事ではないと思いたいですが。
以上、気づいた点を述べました。