40才定年制 本文へジャンプ
 


2012/10/14
10月10日の朝日新聞朝刊のオピニオンという欄に、40才定年制を唱える柳川範之さんという記事が載っていました。予てから私自身もそう思っていたので、わが意を得たりという気持ちになってこれを書いています。
記事の中で彼自身も言っているように、65才定年のように強制して辞めさせる定年では無いという事です。しかし、20代で入社して65才まで、同じ会社で働くのではなく、転職していく人生を考えているのです。
私自身、30代後半で最初の仕事を辞め、その後、いろいろな仕事についてきた経験から、40才の定年制の良さがよくわかります。

@ 自分の能力や適性を見極めるのに、30代で十分な事
   私は中学の頃から研究者になりたいと思っていました。運よく研究公務員と言う職を得ましたが、10年働いていて、自分の研究者としての能力が低い事がわかってきました。幸い、夫のために辞める事情が出来、喜んで辞めました。

A 何もきっかけがないと辞めにくいが、定年という事なら辞めやすいし、その頃、外で出る事を覚悟していたら、それまでの働き方が(のんべんだらりと65才までと考えているより)変わってくる事。

B 65才或いはそれ以上仕事を持ち続ける為には、時代と自分の変化に応じた仕事を次々選んでいく必要がある事。
   2番目の仕事、時間講師はそれなりの面白さもありましたが、満たされず、税理士の勉強を始めたりしました。出来るだけ多くの人に仕事を探している事を話し、3番目の民間会社へ就職出来ました。しかし、管理職での転職で当初は仕事の内容に能力が追い付けず、苦しみましたが、そのうち、環境の部門を担当し、水を得た魚になれました。

C 転職により、広い視野や人間関係も持て、より豊かな人生が送れる可能性が高い事。
   4番目の仕事、ISOの審査員は多くの人との出会いと仕事の現場を見ることが出来、最高に楽しい仕事でした。5番目のボラバイトは、審査員時代に疑問に思っていた審査員の質と審査結果の評価をすることが出来、仕事人生の最後を締めくくれました。

マイナス面としては
@ うまく仕事が見つかるかどうか?
A 自分で自分の適職を見つけられない可能性
B 転職のためのスキルアップが、仕事以外でつけなくてはならない場合の生活保障等が考えられます。

私は幸運に恵まれて、しかし、仕事探しではそれなりに努力して、66才まで仕事を持ち続けられました。
与えられた場で精一杯努力し、全体を常に見るように努力してきました。
企業に居る時、たまたま新入社員への説明をする時、次のように言いました。
「仕事は常に、客観的視点を忘れずにして仕事をする事、この仕事が、外の世界ではどのように応用出来るかとか、外では他のどのような方法で、それをしているか等。外でも仕事が出来る人間になるよう心掛けていたら、イザとなった時も怖くないし、何より、外でも働ける人間は社内でも仕事が出来る人間になります。」と。